★中国系シンガポール人の葬式
結婚式の話の次に葬式の話とは不謹慎であると思いますがこれも人生の順番ですのでお許し下さい。 中国人の葬式は特徴があります。 私が在任中に懇意にしているお客さんの御尊父が亡くなられ葬式に参列する機会がありました。 葬儀場は日本にあるような葬祭会館ではなく屋外道路にテントを張り、テント内部の正面に故人の写真と棺が安置されています、その祭壇前にはコーヒーハウスにある様な丸テーブルが2,30脚置かれている。 あるテーブルでは麻雀、トランプ遊びが行われているし、また、あるテーブルでは酒盛りが行われています。 さて、喪主はどこかと探すと、白っぽい目の粗い麻布で出来た服を着て(ドンゴロス袋の様な麻布で出来た服で【粗麻服】とよばれるもの)皆を接待している喪主を見かけました。 お香典は日本式の香典袋に奇数のお金を入れて喪主に渡しましたがこの様なしきたりがシンガポールにあるか私は知りません。 シンガポールの中流以上の家の葬儀は一般的に約一週間続き、この間多くの人たちが葬儀場に集まり飲み食い、麻雀などを楽しみ賑やかに過ごしています。 この様な光景を初めてみた日本人はお盆祭りの宴会か、お葬式か区別がつかないと思います。 私も何度か間違ったことがありました。 さて、一週間に及ぶ葬式が終わり、棺を車にのせ野辺送りの葬列が出発します。 葬列は故人の名前の書かれた花輪を先頭に、楽団、お坊さん、霊柩車、ハリボテで作られたベンツの高級車、家の模型、会葬者と続きます。 このハリボテで出来た高級車、家は死者があの世で生活に困らないように供えられたものです。 また、音楽は20人以上の制服を着た楽団員により演奏され、曲は最近の流行している歌も演奏され賑やかに行進しています。(アメリカ・ニューオリリンズの黒人の葬列で見られるデキシーランド ジャズと同じです) 私は最近まで中国系の人達は死んでもあの世で新しい人生が始まるので賑やかにするのかと思っていましたが、これは間違いで野辺送りに近づく悪霊を音楽で追い払うためだそうです。 シンガポールでは日本の建築内装でよく使用されている粗い麻布系統の壁材を貼るのを極端に嫌うのは葬儀に喪主が着る粗麻服と同じ材質のためです。


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